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不思議コメディーと東京の風景

おもいっきり探偵団 覇悪怒組 第9話『宿敵!辛切警部現わる』 ACT2

トレンチコートの怪しい男に尾行されていると気づいたヤスコは走り、逃げる。

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いずれも板橋区徳丸5丁目と3丁目の路地。前谷津川緑道のそば。
2カット目の映像は隣接する建物の2階からの撮影で再現が不可能なので、アングルの異なる同地点の画像3点を掲載した。
最後の映像では画面手前に重機が映っているが、これが非常に効果的。次のシーンへのつながりが非常にスムーズになっている。この1カットのために重機を用意したとは考えにくく、恐らく現地で作業中だったものを小道具風に利用したのだろう。

ヤスコは重機置き場に隠れるが、男に発見されてしまう。
その男、実は警視庁捜査二課の自称“名刑事と誉れ高い”辛切警部(演・三角八朗)だった。

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板橋区三園2丁目から和光市白子4丁目にまたがる地区にかつて存在した重機置き場。住宅地図では年度によって表記がまちまちなのだが、平和機工(株)と笹目重機工業(株)の所有地だったようである。
最初の映像はカメラが高い位置にあることから、ロケバス等の屋根の上か、あるいは県道88号線を挟んだホンダHISCO関東城北工場(当時)から撮ったのかもしれない。
2カット目は、敷地内の施設の屋根の上で撮影されたと推測される。3カット目で辛切警部が立っているのがそれ。比較画像は施設があった位置よりも少し東寄りから撮っている。
参考用に、現在の周辺地域を捉えた画像2点も掲載しておく。白子川を挟んで左側の住宅街が重機置き場だった場所。右は東都城北タクシー(株)三園営業所(当時は東都自動車交通・西高島平営業所)。映像の右奥に見える三角形の屋根の施設は、東京都水道局三園浄水場。現在も同様の施設が同じ位置に存在するが、屋根は取り替えられたか、あるいは建物自体が建て替えられたと思われる。
最後の映像の後方には、白子川の護岸と前述の東都城北タクシーの車庫が映っている。比較画像は若干広めの画角にしてみた。

この重機置き場は「覇悪怒組」以降、アクションシーンを中心にたびたび使用される。中でも印象的なのは、「うたう!大龍宮城」第26話のクライマックスとエンディングではないだろうか。
なお、この一帯は不思議コメディーシリーズ終了後まもなく宅地化が始まり、1990年代の後半にはマンションや住宅が建ち並ぶ区画となって現在に至っている。

辛切警部はヤスコにあんみつをごちそうし、魔天郎に関する情報を得ようとする。
青山の宝石強盗は魔天郎の仕業だと主張する辛切警部にヤスコは憤慨し、「魔天郎の犯罪は芸術で、魔天郎は犯罪の美学を追求している」と言い放って席を立つ。

H09-09.jpg H09-09N1.jpgH09-09N2.jpgH09-09鶴喜2009-01
あんみつ屋として使われたのは練馬区東大泉2丁目にあった鶴喜。東映東京撮影所からは至近距離で、「どきんちょ!ネムリン」「勝手に!カミタマン」でも甘味処として出てくる。当時の住宅地図では、“そば鶴喜”または“そば処鶴喜”と表記されている。
ここはかなり以前に閉店したようで、その後は会計事務所として利用されていた。2014年には建物も取り壊され、現在は周辺一帯の工事に伴いご覧のような状態。参考までにストリートビューの2009年の画像も掲載しておく。

ヤスコは「ハード組の手で犯人を捕まえよう」と提案するが、ヒロシたちの賛同は得られない。怒ったヤスコはひとり帰宅する。
自宅に戻ったヤスコは、盗まれた宝石が通学カバンの中に入っているのに気づき驚く。さらに部屋のクローゼットには、昨日の夕方出会ったトレンチコートにサングラスの男が潜んでいた。
この男こそが強盗犯で、ヤスコとぶつかった時にカバンに素早く宝石を入れて逃走した。そして、奪い返すためにやって来たのだった。

ヤスコは宝石の袋を手に取ると家を飛び出した。強盗犯はヤスコを追う。

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新宿区西落合3丁目。川崎ミシン商会とマンション・ルーク哲学堂の間にある細い路地。
「覇悪怒組」当時、ルーク哲学堂の場所には哲学堂フードセンターがあった。映像に映っている魚屋の木箱は、その店舗のものと思われる。左側に現存する建物の壁面の欠落部分が、30数年前と現在とでピタリと一致している点にもご注目いただきたい。

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続くカットはどちらも中野区江古田1丁目での撮影。前述の西落合3丁目から歩いて3~4分の場所。
最初の井戸ポンプは、当時あった木が伐採され電柱も施設されているため、映像と画像の角度は若干異なる。この敷地の隅には井戸の痕跡が確認できる。ちなみに第35話『水飲み男』でサトルたちが調べる井戸ポンプがあったのは、ここから数メートル先の位置。
強盗犯を阻むフェンスは東京都水道局野方寮1号棟のもの。ヤスコはその敷地内に入った、という位置関係になる。敷地内には立ち入れないので、画像は現在あるフェンスの前から撮影している。
男の背後の建物は蓮華寺。直前に挿入される白い壁と足が映る短いカットは、蓮華寺前の道で撮られたと推測される。画像中央の下にある蓮華寺の門の前に立てば、 第1話のサブタイトルカット が撮影できる。

この2カットの場所は ・3・{はにゅロケ さんにご教示いただきました。改めまして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

なんとか逃げ切ったヤスコだったが、そこに辛切警部が現われる。
宝石の袋に気づいた辛切警部はヤスコが犯人だと断定し、逮捕しようとする。だがその時、魔天郎が出現した。事件の黒幕は魔天郎と睨んでいた辛切警部は、逮捕しようと躍起になる。

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練馬区大泉町1丁目、八坂神社に隣接する中里の富士塚。3カット目の対比画像は木々の様子がわかるよう、少し広めの画角にしてある。
不思議コメディーシリーズでは何度か出てくる場所で、特に「バッテンロボ丸」の“バズカンが時報を鳴らす山”としての使用が印象深い。頂上まで歩いてみると案外足場が狭くて悪く、あのスーツを着て(あるいは担いで)よく登ったものだと感心させられる。

この項、ACT3につづく。
(文中敬称略。撮影:2018年9月&10月&11月&12月)

「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」ロケ地は、 ロケ地まち案内 主宰のモリリンさんと共同で検証・特定作業を行なっています。改めまして、お礼申し上げます。

おもいっきり探偵団 覇悪怒組 第9話『宿敵!辛切警部現わる』 ACT1

「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」第9話『宿敵!辛切警部現わる』(脚本:浦沢義雄 監督:坂本太郎)は、1987年3月8日に放映された。名バイプレイヤーの故・三角八朗演じる準レギュラー、辛切警部の初登場回である。

ある日の放課後、ヤスコ(演・上野めぐみ)は落合先生(演・秋野太作)とともに公園を訪れる。落合先生の品のない行為に幻滅したヤスコは、魔天郎(演・春田純一)との公園デートを夢想する。

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日比谷公園。上の映像は第一花壇の北側で撮影されている。花屋は公園内にある日比谷花壇で、店舗は建て替えられ、売り場の位置も変わっている。日比谷花壇の後方に見えるのは帝国ホテル。

落合先生は「チューリップの花が食べられることを教える」と言うと、花屋のチューリップにマヨネーズをかけて食べ始めるが……激怒した店員(演・山本緑)に頭から水を浴びせられ、あわてて逃げる。

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日比谷花壇から公園の日比谷門前での撮影。現在の日比谷花壇の全景の画像を掲載した。このシーンにおける秋野太作の芝居、特に表情は絶品。

帰り道。ヤスコはいきなり道に飛び出してきた男(演・中屋敷鉄也)に突き飛ばされ、倒れる。
トレンチコートにサングラスのその男は、謝りもせず走り去る。その直後、近くにパトカーが停車し、警官たちが出てきた。

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新宿区三栄町にある三栄公園の前。画像1枚目と2枚目は周囲の様子もわかるよう、若干広めの画角にしてみた。この一帯は電線が地下に埋設されたため、「覇悪怒組」撮影当時と比べるとずいぶんすっきりした印象がある。
なお、ここは不思議コメディーシリーズのロケ地としては非常に珍しい場所。使用されたのは、恐らくこの回一度だけ。三栄公園の案内板が映像に映るため場所の特定は容易なのだが、なぜここが選ばれたのかがわからない。俳優のスケジュールか、あるいは車両(パトカー)の関係ではないかと思われるが、今のところ理由は不明。

ヤスコは竹林寺にあるハード組の秘密基地へと急ぐ。

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竹林寺は和光市白子2丁目の地福寺。秘密基地の入口前にある延命地蔵は今も健在。

秘密基地では、テレビのニュースが「青山の宝石店で強盗事件があった」と告げていた。犯人の人相や行方はまだわかっていないという。

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ニュース映像。「青山の高級宝石店」があったのは港区北青山1丁目、青山一番街。
宝石店はエンディングでクレジットされる“プリンセスパール”と推測しているが、具体的な場所は未特定。当時、青山一番街とその周辺に同店の店舗は見当たらず、筆者が掴んでいるプリンセスパールの所在地も別の場所。ただし、その場所は恐らく店舗ではなく事務所等だったと思われる。このカットは引き続き調査したい。

翌日の放課後。ヤスコは純子先生(演・丹保みのり=原田采知)と帰宅しながら、前日の宝石事件について話す。ヤスコは「魔天郎にしては乱暴すぎる」と指摘し、純子先生は「魔天郎様は犯罪の美学を追求している」と語る。

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通学路はおなじみの前谷津川緑道。板橋区徳丸6丁目。
最初の映像、ヤスコと純子先生が歩いているのは画像1枚目の中央付近。ふたりの後方に映っている建物は、画像2枚目でわかるように大半が現存している。

純子先生と別れてひとりになったヤスコの背後に、トレンチコートの男が現われる。男はヤスコを尾行し、ヤスコも男に気づいた。

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これも板橋区徳丸6丁目、前谷津川緑道付近。
映像では、純子先生と別れたヤスコはボックスカルバートの中へ入っていき、その背後に男が現われ尾行する……という流れだが、実際にヤスコが歩いているのはボックスカルバートの手前で右折した先。つまり、ヤスコは別れたはずの純子先生の後を追っている、という位置関係になる。

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日比谷公園。映像の撮影位置はすべて特定できたのですが、画像の撮影にとにかく手間取りました。
訪れた時間帯が完全に逆光のタイミングだったり、翌日のイベント準備の車両に視界をふさがれたり、整備の都合で入りたい通路が立ち入り禁止だったり、対比写真はベンチで眠っている方(の足)で画像の大半が占められてしまったり、30分を予定していた撮影時間が電車の遅れで半分になったり……と、アクシデントや困難続きの鬼門のような場所。実は今回の撮影のために四度足を運んでいます。にもかかわらず、ご覧のように掲載画像は不完全なものばかり(と、言い訳)。
ここは「じゃあまん探偵団 魔隣組」の取材・検証時に、もう一度きちんと撮影したいと考えています。

この項、ACT2につづく。
(文中敬称略。撮影:2017年5月&2018年10月&11月&12月)

「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」のロケ地は、 ロケ地まち案内 主宰のモリリンさんと共同で検証・特定作業を行なっています。改めまして、お礼申し上げます。

魔法少女ちゅうかなぱいぱい! 第12話『レイモンドとチャーハン』 ACT3

五目殿下はレイモンドをラーメンにして食べようと考え、攻撃を始めた。

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駆けつけたパイパイは中華魔女に変身し、五目殿下に立ち向かう。しかし、ピンチに陥る。

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レイモンドは身を挺してパイパイを救う。五目殿下は撃退したものの、レイモンド自身も再びラーメンになってしまう。「今のわたしはパイパイ様に愛される資格はありません」と言い残し、レイモンドは飛び去っていく。

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クライマックスの撮影場所は、練馬区関町北3丁目の弁天橋付近。
五目殿下の攻撃を受けて倒れたパイパイの位置が、カットごとに少しずつ変化しているのがわかる。飛び去るレイモンドを見つめるパイパイの目線は西武新宿線のある南側を向いているが、実際に飛んでいくのはその反対、北東の住宅街方面である。

パイパイはチャーハンの墓に手を合わせると、ひとり立ち去る。ヌルハチは無言で見送る。

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さまざまな思いが交錯する余韻たっぷりのラストシーンは、練馬区光が丘4丁目の光が丘公園での撮影。芝生広場の中央付近にある丘の上。この映像だけでは判別しづらいが、数か月後に同公園で撮影された「魔法少女ちゅうかないぱねま!」第2話と照らし合わせると、ほぼ正確な位置が割り出せる。画像は映像よりも広めの画角にしてある。
本エピソードの撮影は1989年2月頃、つまり真冬に行なわれたと思われる。筆者が現地を訪れたのは10月初頭で、ご覧のようにまだ木々が生い茂っている。ここは冬場に再訪し、もう一度写真を撮って掲載したい。

【付記】
この回は蚕糸の森公園と板橋区徳丸が大きな比重を占めている。ACT1でも触れたように、蚕糸の森公園は「もりもりぼっくん」中盤から「ぱいぱい」前半まで使われた場所。光が丘公園の使用が本格化する直前の“短期間ではあったが記憶に残る公園”である。一方、徳丸地区は「TVオバケ てれもんじゃ」と「勝手に!カミタマン」で多用された場所で、「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」の前谷津川緑道も印象深い。両ロケ地は、1980年代中盤の不思議コメディーシリーズを象徴する場所と言える。
蚕糸の森公園の使用はこれが最後であり、徳丸地区も徳石公園などがピンポイントで登場することはあるものの、ここまでフィーチャーされるエピソードは以降の作品にはない。その意味で、当時のスタッフが意図したかどうかはともかく、この回は1980年代中盤ロケ地の総決算という意味合いを持つ。

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本エピソードでは、判断に迷う映像がひとつだけ残っています。それがこれ、レイモンドとチャーハンの話をパイパイがヌルハチから聞いたシーンのファーストカット。ここは蚕糸の森公園ではなく光が丘公園か、あるいは同時撮影の第11話で使われた石神井公園ではないかと想像していますが、はたして……?

(撮影:2018年9月&10月)

魔法少女ちゅうかなぱいぱい! 第12話『レイモンドとチャーハン』 ACT2

ある雪の夜、ラーメンのまま行き倒れになったレイモンドは、チャーハンに助けられた。
チャーハンはレイモンドに恋をして人間になり、レイモンドもチャーハンに促され、人間になるためにチャーハンを恋した。こうして、レイモンドは元の姿に戻ったのだった。

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板橋区徳丸5丁目にあった中華料理店の高嶺。2009年のストリートビューでは、別名義の店の営業が確認できる。現在は画像のような状態となっている。玄関マットをはっきりと見せるため、映像は道路を挟んで反対側のマンション2階から撮影されたと思われる。画像は地上階前の歩道から撮影した。

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“チャーハンがラーメンに毛布をかけ、湯たんぽとストーブで温める”場面。高嶺の店内かどうかは不明。ラーメンとチャーハンが見事な“演技”を披露する。一見の価値がある名シーン。

レイモンドとチャーハンの話をヌルハチから聞いたパイパイは、「中華魔界に帰って五目殿下のお嫁になり、玉の輿に乗るのも悪くない」と考える。パイパイは高山家にひそかに別れを告げる。そして、自転車で走るチャーハンを街で見かけた。

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板橋区徳丸4丁目の坂。前述の高嶺があった場所のすぐ近く。

道路沿いのマンションから、チャーハンめがけて植木鉢が落ちてきた。パイパイは魔法でチャーハンを救う。

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マンションとして使用されたのは、板橋区徳丸4丁目にある板橋区立徳丸けやき苑。

「自分とレイモンドは恋人だった……」と、パイパイはチャーハンに話す。重い空気がふたりを包む。

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練馬区大泉学園町6丁目にあったレストラン・サンロイヤル。画像はACT1同様、空き店舗を窓の外から撮ったもの。ガラスの反射や景色の映り込み等はご容赦願いたい。
まだ精査はしていないが、不思議コメディーシリーズのロケ地としてこの店が使用されたのは、恐らく今回が初めて。続く「魔法少女ちゅうかないぱねま!」以降の作品でも何度か使われている。

パイパイはチャーハンに「五目殿下のお嫁になる」と語り、ふたりは別れる。
その直後、チャーハンの前に五目殿下(演・石井洋祐)が出現した。実はチャーハンは、五目殿下が送り込んだスパイだった。チャーハンを利用してパイパイに自分との結婚を決意させる、という五目殿下の作戦は成功した。役目を終えたチャーハンを、五目殿下は本物のチャーハンに変え、食べ始めた。

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板橋区徳丸5丁目と6丁目をつなぐ前谷津川緑道。不思議コメディーシリーズではおなじみの場所。

食べかけのまま放置されてしまうチャーハン。それをヌルハチが見つけてパイパイに届ける。
瀕死のチャーハンは、自分は五目殿下のスパイであり、レイモンドは五目殿下の魔法で人間になったのだ、とパイパイに明かす。そして、「レイモンドは今でもパイパイを愛している」と言い残して絶命する。パイパイはチャーハンの亡骸を前に、涙を流す。

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ACT1でも紹介した杉並区和田3丁目の蚕糸の森公園。
ふたつ目のカット、チャーハンの絶命は「命の灯が消えた」としか言いようのない出来栄え。比較画像はパイパイが涙を流しているベンチのアップ……なのだが、映像で確認できる質感の違いやライティングの関係から、実際には公園ではなくスタジオで撮影されたと思われる。ここはシャレのつもりでご覧いただきたい。

【解題】
「ペットントン」第30話『横浜チャーハン物語』を嚆矢とする“無生物の生物化”は、人形が主役の「どきんちょ!ネムリン」と「勝手に!カミタマン」を経て、描写のレベルが飛躍的に向上する。本エピソードはその延長に位置すると同時に、この路線の頂点と捉えていいだろう。
そもそも「ぱいぱい」では、レイモンドがラーメンに変えられるところから物語が始まる。“無生物の悲しみ”が作品の根底にあるわけで、“チャーハンの悲劇”というエピソードが生まれたのも必然だったと言える。
“凍えたラーメンがチャーハンに介抱される”“息も絶え絶えのチャーハンが真実を語る”という映像はシュールかつコミカルで笑いを誘う反面、本物のラーメンとチャーハンが演じているからこそ説得力があるのも確か。これを仮に生身の俳優が演じていたら、完成作品ほど魅力的にはならなかったはずだ。「チャーハンが五目殿下に食べられる」という衝撃的な描写も本物であるからこそ成立する展開で、設定と映像、映像とドラマが見事に融合している。
不思議コメディーシリーズにおける無生物の演技は、一般的には色物・キワ物として扱われがちだが、ドラマと密接に連動した表現として、もっと高く評価されても良いのではないだろうか。

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レストラン・サンロイヤル跡。映像でも印象的な白い格子の窓枠は今もそのままです。新たな店舗としてオープンした際にはぜひ訪れ、内部から撮影したいと考えています。

この項、ACT3につづく。
(文中敬称略。撮影:2018年9月&10月)

魔法少女ちゅうかなぱいぱい! 第12話『レイモンドとチャーハン』 ACT1

「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」第12話『レイモンドとチャーハン』(脚本:浦沢義雄 監督:坂本太郎)は、1989年4月2日に放映された。「ぱいぱい」ターニングポイントのこの回は、前半ラストを飾る秀作でもある。また、ロケ地の観点からも大変興味深いエピソードに仕上がっている。

ある日、パイパイ(演・小沢なつき)は居候している高山家の前で、レイモンド(演・新井昌和)によく似た青年を見かける。レイモンドはパイパイの恋人だったが、パイパイを花嫁にしたい五目殿下によってラーメンに姿を変えられ、中華魔界から追放されていた。パイパイはレイモンドを追って人間界にやって来たが、まだ会えていなかった。

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「ぱいぱい」と続編の「魔法少女ちゅうかないぱねま!」で高山家として使われたのは、練馬区内にあった個人宅。既に建て替えられており、建物は存在しない。現在の様子を写した上の画像には修正を施した。

「レイモンドはラーメンのままのはず」と、パイパイは考え直して彼を探すが……手がかりはまったく掴めない。

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レイモンドを探すパイパイが飛び込んだ店の数々と同地点の今の様子。いずれも板橋区内で、元の建物はすべて取り壊されている。最初の中華料理店は、「勝手に!カミタマン」でも“珍々亭”として使用された中華飯店・香楽。

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二軒目のそば屋は美可和屋。ウェブ情報によれば2012年頃まで営業していたようで、グーグルマップでも2014年までは建物を確認できる。2009年11月のストリートビュー画像を参考までに掲載しておく。

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銭湯は福徳湯。撮影スケジュールや地理的条件からここだろうと推測していたものの、なかなか確証が得られなかった。現地に赴き、近隣に長くお住まいの方に話を伺い特定できた。こちらも参考用に国土交通省国土地理院の空中写真(1975年)を掲載する。廃業からかなりの年月が経っており、跡地には画像のような住宅が並んでいる。

公園にやって来たパイパイの前を、例の青年が通りすぎていく。パイパイに気づいた青年は、なぜか逃げようとする。パイパイは後を追う。

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青年はやはりレイモンドだった。だが、何と彼はチャーハン(演・上野めぐみ)と名乗る少女と結婚していた。パイパイはショックを受けて立ち去る。

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傷心のパイパイのもとに、ヌルハチ(演・うえだ峻)が現われる。ヌルハチは五目殿下の部下でパイパイを捕えるため派遣されているのだが、パイパイの境遇には同情していた。
「レイモンドに会った」というパイパイの話を聞き、ヌルハチは驚く。

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レイモンドとの再会からヌルハチ登場までの一連のシーンは、杉並区和田3丁目の蚕糸の森公園で撮影されている。
この公園は1986年に開園し、直後に「もりもりぼっくん」のロケ地として使われた。続く「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」では第3クールのメイン公園となり、「じゃあまん探偵団 魔隣組」でも散発的に使用される。「ぱいぱい」では第1話を皮切りに坂本監督回で多用されるが、今回限りで使われなくなる。以後、ここは不思議コメディーシリーズには出てこない。

ヌルハチはレイモンドの身辺を探る。レイモンドはチャーハンとともに、たこ焼き屋を営んでいた。

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練馬区関町北3丁目にある弁天橋とその周辺。弁天橋は武蔵関公園の入口脇にあり、すぐそばを西武新宿線が通っている。「ぱいぱい」「いぱねま」頻出のロケ地で他作品でも使われている。上の画像からは、西武線の線路内の歩道が拡張されているのが確認できる。

ヌルハチはレイモンドから事情を聴く。「チャーハンは命の恩人だ」と、レイモンドは語り始めた。

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練馬区大泉学園町6丁目にあったレストラン・サンロイヤル。2017年3月に惜しくも閉店し、その後別の店になったが、現在は再び空き店舗となっている。ヌルハチとレイモンドが座っているのは入口の先にある窓際の席と思われる。画像は店の外から窓越しに撮影した。

「ぱいぱい」では名バイプレイヤーでシリーズ常連の俳優・うえだ峻の好演が光るが、この回は特に素晴らしい。掲載したレイモンドとの会話シーンをはじめ、チャーハンの悲劇をパイパイに伝える場面やラストシーンにおける堅実な演技は、シリアスな本エピソードの引き締めに大いに貢献している。

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蚕糸の森公園。「ぱいぱい」放映から約30年、成長した樹木によって周辺建物がまったく見えなくなっています。ここは何といっても「覇悪怒組」と「ぱいぱい」での使用が印象的で、本ブログでも再び取り上げる予定です。

この項、ACT2につづく。
(文中敬称略。撮影:2018年9月&10月)