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不思議コメディーと東京の風景

おもいっきり探偵団 覇悪怒組 第1話『怪人魔天郎現わる!』 ACT1

シリーズ第7作「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」は、1987年1月11日に放映を開始した。今回はその第1話『怪人魔天郎現わる!』(脚本:江連卓 監督:佐伯孚治)を取り上げる。

寒風が吹き、木の葉が舞い散る中、ひとりの怪しげな男が現われる。男は手帳を片手に、とある一軒家を覗き込む。

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男の足元を捉えたファーストカットは、新宿区西落合2丁目にある西落合公園。10年ほど前に遊具の大半が取り替えられ、樹木も伐採されたため、雰囲気は一変している。正確な撮影場所の特定はなかなか難しいが、恐らく画像の中央あたりと思われる。

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続くサブタイトルは、作品のシンボルともいえる野方配水塔の全景。所在地は中野区江古田1丁目。映像は隣接する蓮華寺の門の前か、あるいは境内から撮影されている。画像は門の前で撮ったもの。
今回掲載したのは、順に2018年3月、2017年12月、7月の画像。樹木の成長を別にすれば、昨年秋までは映像とほぼ同じ景観だったが、年末の時点で工事用のフェンスが設置され、現在では黒い鉄柵は撤去されている。

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配水塔近くの一軒家を覗き込む男=落合先生(演・秋野太作)のバストショット。これも蓮華寺の前での撮影。
映像の左端に映っている白い建物は東京水道局野方増圧ポンプ所で、現存しない。ポンプ所の横、遠景に見える照明塔は中野区立哲学堂公園野球場のもの。2018年3月の時点では、画像のように保育施設の建設が進められている。

開巻から約10秒、わずか3カットのこの導入部は絶品。神秘的なサブタイトル曲とも相まって、作品イメージを決定づけた名シーンである。

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落合先生が覗き込んだのは、竹早小5年3組のヒロシ(演・渡辺博貴)の家。
練馬区内にある民家。画像は加工を施してある。「覇悪怒組」全50話中、ヒロシの家の外観はわずか三回しか出てこない。そのうち二回がこのお宅で、第1話と第3話で使用されている。

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落合先生は、ヒロシの同級生・サトル(演・中島義実)の家に向かう。サトルの家は、家族経営のレストラン・ボンボンだ。
レストラン・ボンボンは、かつて練馬区豊玉北6丁目に存在したレストラン蔵。ここは「覇悪怒組」終了後まもなく、平成の初めに取り壊された。練馬区役所の裏に位置しており、跡地はロータリーの一角となっている。

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続いて落合先生が足を運んだのは、八百屋を営むススム(演・雨笠利幸)の家。ススムとススムの父(演・高月忠)のケンカに巻き込まれ、飛んできた大根が頭にぶつかってしまう。その様子を、ヒロシ・サトル・ススムの三人が訝しげに見つめる。
板橋区内の青果店をロケセットとして使用。ご覧の通り、すでに廃業している。周辺建物などから、場所の特定は容易。ちなみに最初の映像の右端に映っている「山田あみもの」の看板はフェイク。「覇悪怒組」を注意深く見ていくと、まったく別の場所でもこの看板を目撃できる。ここでは自動販売機の商標を隠すために置かれたと推測される。

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落合先生の次の訪問先はタケオ(演・石井孝明)の家。ヒロシ・サトル・ススムがサトルに合図し、怪しい男の来訪を知らせる。
撮影に使用された屋敷はかなり前に取り壊され、跡地には三棟の住宅が建っている。ここも簡単に特定できる場所である。なお、タケオの家の庭のシーンも、同じ屋敷の庭で撮影されたと思われる。

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ヒロシの同級生のヤスコ(演・上野めぐみ)は、自宅の庭で父(演・大林隆介)や弟のシンスケ(演・山本亮)とともに合気道の稽古をしていた。この場所は未特定。

そして……ヒロシたちは落合先生を“変態男で誘拐犯人”と考え、追跡する。

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ヒロシたちに追われ、坂を駆け降りる落合先生。その途中、バイクで走っていた竹林寺の洋漢和尚(演・奥村公延)が合流する。
ここは新宿区西落合2丁目と中野区上高田5丁目にまたがる坂。中野区立上高田図書館のすぐそばで、新宿区と中野区の境界に当たる。最初の映像の左に映っている塀の向こう側には、放映当時、NTT中野統制無線中継所があった。第6話『透明人間』では、その敷地内の鉄塔が映っている。鉄塔は「覇悪怒組」終了後の1989年に完全に撤去され、跡地にはマンションが建てられた。
坂を下った先にある白い建物は、竣工直後の住宅都市整備公団(現・UR都市機構)哲学堂公園ハイツ1。「覇悪怒組」の翌年に放映された「世界忍者戦ジライヤ」で、主人公が暮らすマンションとして使用されている。

【雑記】
「覇悪怒組」が放映された1987年、筆者は20歳になった。筆者が当時住んでいた地域では、「勝手に!カミタマン」以降の不思議コメディーシリーズは木曜日の夕方に放送されていたため、「覇悪怒組」は1月15日=成人の日のスタートとなった。筆者は成人式は欠席したのだが、仮に出席していたら、第1話は視聴していなかったと思う。
というのも、シリーズ第一作の「ロボット8ちゃん」からリアルタイムで追っていたものの、さすがに飽き始めていたからだ。そろそろ観るのをやめようかな……などと考えていた時期で、この日は“たまたま家にいたから観た”という状況だった。そして、偶然かつ何となく接したこのエピソードに、大いに驚いた。
それまでとはがらりと作風を変えた「覇悪怒組」には、好きな設定・観たい要素が数多く盛り込まれていた。映像に収められた街並みや風景も魅力的で、たちまち引き込まれた。不思議コメディーシリーズへの熱も再燃した。
もしもあの日、「覇悪怒組」に出会っていなければ、恐らく後年のヒロイン路線も観ていないはずだ。その意味で「覇悪怒組」第1話はシリーズ全体の転換点であると同時に、筆者にとっても大変重要なエピソードである……と、実はこの作品は個人的な感情抜きでは語れません。第1話を観た時の興奮や最終回で受けた感銘など、当時のさまざまな記憶は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

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野方配水塔。昭和初期の雰囲気と戦争の痕跡を今に伝える、貴重で味わい深い建造物。

この項、ACT2につづく。
(文中敬称略。撮影:2017年1月&7月&10月&12月&2018年3月)

「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」のロケ地は、 ロケ地まち案内 主宰のモリリンさんと共同で検証・特定作業を行なっています。本項におけるレストラン・ボンボンや落合先生を追跡する坂など、モリリンさんのお力がなければ、解明に至らなかった場所は多々あります。改めまして、お礼申し上げます。

ロボット8ちゃん 第1話『スーパーおじんのバラバラマン』 ACT1-2

バラバラマンに追いつめられた8ちゃんを、タケルたちがかばう。だが、8ちゃんはバラバラスパナから放たれた怪光線を浴びてダウンする。そこへ青井博士が現われ、8ちゃんの身元引受人であると告げる。バラバラマンは捨てゼリフを吐き、立ち去っていく。

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長らくわからなかったこの印象的な場所は、調布市内の某所にあった東京電力の施設と判明。今や往時の面影はまったくない。バラバラマンやタケルたちの後方に見える白い建物は、少なくとも2009年までは存在しており、2014年の時点では撤去されている。
映像の撮影ポイントはもう少し(数メートルくらい)左だったと思われるが、街全体の雰囲気がわかるよう、画像はこの位置で撮ってみた。なお、現在ではご覧のような住宅街となっているため、住所等の詳細は伏せる。

「8ちゃん」第1話の主だったロケ地は、これですべて解明・特定できた。リスト化すると次のようになる。 

A01ロケ地リスト 
港区芝浦と海岸を中心に、京浜島、調布、新宿、高島平、戸田と広範囲に及んでいる。OP・EDの素材撮りも兼ねていたとはいえ、1本撮りの30分番組としてはかなりの労力と時間を費やし、丁寧に撮影されていたとわかる。
(ちなみに上記の場所、首都高以外はすべて巡りました。いずれも公共交通機関を利用して)

最後になりましたが、今回のシーンの検証と特定に際しては、仮面ライダーロケ地大画報 主宰のyart先生よりヒントとアドバイスをいただきました。yart先生の推理はほぼ正解といえる完璧なもので、大いに役立ちました。改めて、お礼申し上げます。
(撮影:2018年3月)