FC2ブログ

不思議コメディーと東京の風景

ロボット8ちゃん 第1話『スーパーおじんのバラバラマン』 ACT3

8ちゃんがバラバラマンや誘拐犯と対決するクライマックスは、港区海岸3丁目で撮影された。この一帯は1980年代後半からのレインボーブリッジ建設により、景観が一変している。


A01-22a.jpg A01-22aN.jpg

8ちゃんから連絡のあった“17号埋立地”に駆けつけるタケルたち。

映像右の宇部セメントのプラントは、宇部三菱セメントとして現在も操業を続けている。画像左の巨大な円柱は、レインボーブリッジの支柱。


A01-22b.jpg A01-22bN.jpg

A01-22bN2.jpg

到着した8ちゃんは、誘拐犯のひとりである見張りの男を発見する。

映像のカメラポジションに立つと、今や巨大な白い壁しか目に入らない。この壁はレインボーブリッジ遊歩道入口のもの。

これだけだとあまりにも殺風景なので、数十メートル西寄り(上記の宇部三菱セメント側)の画像も添えておく。この画像の右奥に見える富士倉庫運輸が、映像では左上に映っている。


A01-22c.jpg A01-22cN.jpg

見張りの男と揉み合いになった8ちゃんの前にバラバラマンが現われる。「人間に対して暴力をふるうロボットは解体すべし」というロボット管理法を盾に、バラバラマンは8ちゃんをバラバラにしようとする。

画像の建物は2015年に建てられた東京ベイサイドビル。


A01-22d.jpg A01-22dN.jpg

8ちゃんを追いつめるバラバラマン。

芝浦ふ頭での撮影。レインボーブリッジ建設に伴う埋め立て工事のため、当時よりも海岸線が遠くなっている。映像と画像のカメラポジションは一致していないと思うが、おおよその雰囲気を味わっていただきたい。


A01-22e.jpg A01-22eN.jpg

バラバラマンは執拗に8ちゃんを狙うが、タケルたちの機転によって海に落ちてしまう。

ここは東京パイロットビルの横で、現在は駐車場となっている一画。映像左上の白いビルは芝浦スタジオ。画像では、レインボーブリッジの橋脚の向こうに位置している。


A01-22f.jpg A01-22fN.jpg

マイロディを救出する8ちゃん。しかし、苦手なピーマンを誘拐犯に投げつけられ、ピンチに陥る。

当時の芝浦ふ頭の最南端。現在ここには立ち入れないため、少し北に寄った位置の画像を掲載した。画像左の建物はレインボーブリッジ遊歩道入口。画像の右側に見えるロードコーンのあたりが、かつての海岸線になる。


A01-22g.jpg A01-22gN.jpg

ユメコのキスでロマンス回路を発動させた8ちゃんは、“人間を自由に動かせるガス”を放つ。そのガスとサンバのリズムの作用で、誘拐犯たちは浮かれて踊り出す。

東京都港湾局専用線の芝浦線・日の出線の線路内での撮影。前述した富士倉庫運輸の東側、画像の中央付近がその位置にあたる。ここも立ち入り禁止区域のため、レインボーブリッジ遊歩道入口前からの画像を広めの画角で掲載する。なお、芝浦線・日の出線は1985年に廃止となった。


A01-22i.jpg A01-22iN.jpg

A01-22j.jpg A01-22jN.jpg

ユメコのホイッスルの合図で、誘拐犯たちは自ら東京湾へ飛び込む。

ユメコの後方、右側に映っているのは東京パイロットビル。当時のまま現存している。

誘拐犯が飛び込んだのは芝浦ふ頭の最南端、“8ちゃんがピーマンでピンチに陥った”あたりと思われる。映像にはお台場と首都高速湾岸線の換気塔が映っており、それを参考に画像を撮った。画像のフェンス奥にあるのは芝浦南ふ頭公園。


A01-22k.jpg

A01-22l.jpg A01-22lN.jpg

事件は解決し、8ちゃんたちは迎えに来た大海、青井博士とともに帰路に着く。

東京パイロットビル前の道。反対側の白い建物が、レインボーブリッジ遊歩道入口。クライマックスの多くのカットが、この付近で撮影された。映像の遠景の緑の島は第六台場。よく見ると、このカットの青井博士はボディダブルだったりする。


A01-22m.jpg A01-22mN.jpg

びしょ濡れになって陸に上がるバラバラマンのカットで、第1話は終わる。

東京パイロットビル横の駐車場の一画。映像は8ちゃん・ユメコ・マイロディの三者を捉えた上記のカットとほぼ同じ構図で、8ちゃんのカットでは海の向こうに東京モノレールの高架と芝浦配水機場が確認できる。今でもよく見える配水機場と当時の空中写真による桟橋の位置を手がかりに、大体このあたりと推定した。



【解題】

“人間そっくりのロボットが存在し、人間とロボットの見分けがつかない社会で、悪事を働くロボットや不要なロボットを処分する公務員”というバラバラマンの設定は、優れてSF的である。

(主人公が同類の仕事をしている映画「ブレードランナー」の公開は、「8ちゃん」放映開始の翌年)

一方、主役である8ちゃんは、“誰が造り何のために存在するのかまったく不明”というアイデンティティーが欠如した存在。両者が激突する第1話は、“ロボットのフリをして悪事を働く人間”の登場で、ひねりの効いた巧みなエピソードに仕上がっている。


もっとも、第2話以降、それらの設定がうまく機能したとは言い難い。中でも“人間とロボットの見分けがつかない”という部分は、“キャラクターとしてのロボット”を描く上では致命的な欠陥であり、お話を組み立てる際の枷になったと想像できる。

その弱点を解消すべく、第2クールの途中で“すべてのロボットは青井博士の研究所に所属する”と変更される。だがこれは、社会全体を管理・監視していたバラバラマンの位置づけを大きく変貌させ、魅力的な基本設定を瓦解させる結果ともなった。

幼年向けドラマとして円滑にストーリーを進行させるためのやむを得ない措置であり、設定変更後は各エピソードの出来も明らかに良くなったとはいえ、やはり少々惜しい。


ともあれ、“ロボット(人間ではない存在)よりも人間の方がよっぽど悪くて面白くてヘン”という発想と志向は、後続のシリーズにも脈々と受け継がれていく。その意味でも、12年余りに及ぶ不思議コメディーの幕開けにふさわしい第1話と言える。

「ペットントン」も「カミタマン」も「覇悪怒組」も「ポワトリン」も「トトメス」も、すべてはここから始まったのだ。



A01レインボーブリッジ

レインボーブリッジ。

間近で見ると本当にデカいです。おかげで海岸3丁目は日陰だらけになりました……。


A01お台場

芝浦南ふ頭公園よりお台場を望む。

制作局のフジテレビに敬意を表して。当時はここではなく河田町でしたが。


第1話の主要ロケ地はほぼ特定できましたが、一か所だけわからない場所があります。物語の前半で、バラバラマンに追いつめられた8ちゃんやタケルたちを青井博士が助けに来るシーンがそれです。特徴的な白い建物があり、遠景に変電所のような施設が見えるあの場所、どこかご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示ください。


次回は「8ちゃん」第2話『とんでもはっぷん テニスは怖い』を取り上げる予定です。

(撮影:2017年8月&9月)


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する